今現在の多くの会社組織には、まだ【営業部】という部署が存在しています。
そして、そこに配属された、文系ゆえに必然的にそこへ配属される新入社員へ、
私からのエールの言葉です。
大学時代の私の就職活動ですが、駒澤大学が薦める
当時の学生部による就職斡旋、OB訪問等は一切しませんでした。
当時流行ったリクルートの雑誌から、理系・文系関係なしに、資料を取り寄せ、
気が向く会社だけに集中して足を運びました(駒澤大学は好きですよ)。
高収入・福利厚生がシッカリしている・大企業とかの分類は一切関係なし。
何か、線路の上を走っている、一般世間の流れに疑問を感じていたからです。
一流会社に興味がなかったのは、そこの小さな歯車になるのが嫌だったら。
自分自身の将来を、会社の浮き沈みで左右されるのではなく、
自分自身の力で未来を創りたかったから。
私は文学部歴史学科。当時としては、就職にはあまり適さない学部。
「でも、そんなの関係ないし、歴史学科ゆえに出来ることがある」と、勝手な思い込み。
幾つも廻った末に、『ものつくり』に関しては、当時の会社組織は、
文系には極めて閉鎖的だったことを思い出します。
「だって、君、文系だよね。文系入社の前例は無いけれど、営業だったらいいんじゃないかな」
という回答ばかり。
出た!『前例が無いから』
日本は大好きだけど、こういう部分は、日本社会の閉鎖的な部分。悪い意味で江戸時代か。
学生ながら、日本の一般的企業理念にあきれました。
『攻め』の気持ちが少なく、『護り』ばかりで、融通が利かないなと。
このままでは、日本は落ちぶれるな とまで思いました。
専門職に比べ、【営業職】って、製造・制作系の企業からすると、"ついで”的な扱いが多かった。
最初に就職した会社でも、せめて最初だけでも、実態を経験したいので、
最初は【工事部】を希望しながらも、いきなり【営業部】に配属。
さて、入社。
他の5人が、工事部、設計積算部、経理部。私だけが営業部。
建設業界では『工事部が花』で、営業部はメッセンジャーボーイ・営業さんと半ば馬鹿にされ、
社内での評価は非常に低かったことを思い出します。
必死になって、新規のお客様を獲得してきても、
「お前は、どうして安い仕事ばかり持ってくるんだ。そんなのやらないよ」
年下の積算の女子からは、「また、調子の良いことを言ってきたんでしょ!」と、
いつも皆の前で立たされて、ケチョンケチョンに。ある意味、事実ですが・・・
一方で、その当時の社長は素晴らしく、鞭を打ちまくり、鍛えあげてくれました。
入社時から、社長代理として、様々な会合に出されました。出してもらいました。
お陰で、数年、休み知らず。
営業ツールも、ほとんど無しで、お金も使えなく、『自分で考えろ』的に育てられました。
『何で俺ばっかり』の想いと、『クソッ、負けないぞ』の想いの狭間で、何とか精神の崩壊を食い止めて、歯を食いしばって頑張るのみでした。
考えました。【営業職】を極めてみようと。
他の部署に、負けない営業部を創り出そうと。
その為に、営業に関する営業ハウツー本・心理学の本も読みあさり、
他社の社長様、お客様から学び取ることに、専念し、実行しました。
気が付けば、社内でもメッセンジャーボーイから、「小川名はちょっと違うな」と。
色々と試した挙げ句、出た結論は、
営業は経営に直結しつつも、表面上は「縁の下の力持ち的存在」。
完成したものに、お客様が喜んでいただいた際は、工事監督、設計者のお陰と。
完成したものに、お客様が怒っている際は、営業の責任と。
表だっての評価は、極めて少ないのが営業の宿命。
しかし、営業が仕事を獲得してこなければ、設計部も工事部も、
干上がってしまう極めて大事な役割。
他人からの評価など気にしないで、お客様のため、会社のため、社員・業者を食べさせていくためという想いを内に秘めて、精一杯に活動していると、違う次元の世界が見えてきます。
そして、こう思って欲しい。
『俺が、やらねば誰がやる。俺が居なかったら、この会社の将来は無いでしょ!』位に、心の内で。
いいんです。それで。
最高級のナルシスト的感覚を抱いていないと、とてもじゃないけれど、営業職はキツい。
そう信じ込んで誠意を持って、努力を怠らなければ、必ずやあなたのことを見てくれているお客様がちゃんといらっしゃいます。
これは事実ですが、
売れている営業マンは、益々売れる。
売れてない営業マンは、益々売れない。
実績と経験からくる、『売れているニオイ』を、お客様は敏感に感じ取ります。
インチキな心(言葉)も、正直な心(言葉)も、お客様はすべてお見通しです。
王道は、心から誠意を持って、毎日毎日、もう一踏ん張り、さらにもう一踏ん張り。
日々是勉強。この継続により、いつの間にか身体に染み込んでいきます。
さらに、私が実践してきたのは、常にお客様を驚かせようと(良い意味で)。
そして、喜んでいただいたお客様とは、一生のお付き合い。
その覚悟を持たなければ、営業としては失格だと考えます。
金銭的(本人が儲けて)に逃げ切れても、潜在意識の中で、一生苦しむ地獄への道。
日々思っていること、実践していることは、自然と脳に、身体に色濃く染み込みます。
お客様に、心より信用されるべく活動し続けなければ、【精神的ほころび】を生じます。
その逆であれば、心より嬉しい想いに満たされます。
潜在意識が活発に活動する寝ている間も、【嬉しい・愉しい】が拡大再生産されます。
これは、真実です。
そして、【営業職】ゆえの特典。
自分自身の考え方に同感してくれる方しか、長いお付き合いのできるお客様は居ない。
という事実。
かつて、すべての応対するお客様に愛されなければ・・・と、考えていました。
⇒それは、間違いでした。
自分自身、継続発展していきながらも、【相性】【フィーリング】が合う方しか、長いお付き合いが出来ないという事実。
一見、残念なようですが、結論として、その方がお互いの為です。
(当然、日々、自分自身の実力・キャパシティーを上げていく作業は必要ですが)
答えは簡単です。
すべてのお客様に愛される・頼られるということは、不可能です。
それぞれに考え方、時間・空間の差があるから。(色々と試みてきたので真実です)
設計者や、特に工事管理の人間は、その点、厳しい現実があります。
何故なら、源流ともいえる水上(みずかみ)の営業職は、お客様と打ち合わせている間に、自然とお客様から選ばれています(選定されている)。
一方、水下(みずしも)に行く立場の人ほど、お客様から選定されない。
つまり、あてがわれた物件に関して、常に受け身の立場なのです。特に現場監督は。
営業職と違い、相性・フィーリングが、絶対的に合わなくても、その工事を全うしなければならない。(仮に、生理的に苦手なお客様でも)
つまり、
水上の人間は、勝手にフルイにかけられている。
一方、
水下の人間は、お客様から、【素晴らしい】or【普通】or【ダメ】の値踏みをされている。
仮に【ダメ】と思われていても、工事を完成させなければならない。
一方で 、時間の経過と共に、設計・工事・一番はお客様、職人さん だと気が付く時が来ます。
自分だけでは、何もなし得ない。
皆の協力で世の中は廻っている。
今、生かされているのは、皆様のおかげ と、謙虚ではなく、心から感じられます。
そして、自分が【営業職】であるということに、有難みを感じる時が必ず来ます。
社外よりも、社内営業が大変なことを伝えておきます。
案外と不条理で、面倒な社会です。
さらに、設計も工事も雑用も、営業と同時に経験しておくべきです。
本当に、口先ばかりの人間に成り下がってはいけません。
それぞれの立場を、必死に理解する努力をして、
すべてをまとめ上げる作業をしなければ本物ではない。
経営者以上に、将来のことを考え尽くさないといけない。
そこまでしても、あなたのことを軽んじる会社なら、【さよなら】しないといけない。
所詮は、そこまでの会社であり、将来が無いと考えないと察しなければならない。
組織においては、【人】が一番の財産ですから。
営業という職種に、誇りを持って挑んで欲しいです。
「頑張れ!新入社員」