信州放浪記 ①につづく、②です。
ここでは、角材に製材されたばかりの生材が、ずらりと。
床で使うだろう平材(杉)も製材されています。
窯2号。
この窯で、じっくりと乾燥させ、セルロース(細胞)を壊さないようにしながら、含水率の低いものにしていきます。
驚いたのは、他の会社の加工場では、もっとたくさんの【材】を一辺に入れて、効率化を図りますが、ここの製材所では、窯の周囲だけが乾燥されて、中心部の材料が生乾きになるのを避けるため、最低限の量しか入れていませんでした。
乾燥窯内部を、どのように温度変化させていくかを、この製材所ならではのノウハウで、主に【カラマツ材】を脱脂(油抜き)と、乾燥工程を、何工程にもわたり、繰り返していました。
ここのトップ曰く『見せてもいいよ!』と、快く言われていましたが、そこには並々ならぬノウハウがある筈なので、写真はぼやかせていただきました。
正直驚いたのは、刀鍛冶のように、熱したり冷ましたりと、何度も独自の温度で繰り返している点です。
さらに、ここの窯に外来種の木材による影響を避けるため、すべて国内産の材料で、しかも一切、薬剤(防腐剤・防虫剤)を使用していない点です。
長年の経験に裏打ちされた、職人芸にあっぱれです。
先日も、当社で使わせていただいたカラマツの床材です。
それぞれに、表情豊かで、扱いやすい材料です。
心配されるヤニは脱脂されているため、出にくくなっており、一般的に流通している集成材に使われる材と比較すると、雲泥の差で、内部までビッシリと詰まって、比較的硬い材料です。
時間の経過と共に、さらに頑強になっていくのは間違いありません。日本の気候に合った国産材ですし。
信州放浪記 ③へつづく・・・