一部だけ、外部改修②

【一部だけ、外部改修①】のつづきです。

砥石が、隣地に入って何かしています。

お互いに、【変わり者】を自負している仲ですが、そうかついに・・・

そんなに、闘牛士になりたかったんだね。君は。

それなら、赤いマント、用意しておくよ。

ゴメン、砥石さん。

そこの鉄製フェンス、外れている個所を溶接してたんだっけ。
その火花がお隣様の敷地に、飛ばないように防護していたんだね。

でも、赤いマントは何れ用意する。
そして、スペインへ行こう。
似合ってるよ。

闘牛士の一方で、このスタイルは、かつてのもう一人の同期生A氏とよくやっていた、【二人羽織】ではないですか。

懐かしいな。Aちゃん、元気かな?
一緒だったら、砥石が一番喜ぶのにな。
仕事は出来るし、砥石さんの玩具にもなりきれるし。
何れ、時機を見て一緒に仕事が出来るでしょう。引き抜きはしないけれど(自己責任でね)、待ってるよ。

話は戻って、鉄骨屋さん、ブロック内部に入っているフェンスの柱の根本が錆び落ちていたので、これまで以上に丈夫な柱の下部を作成し、溶接してジョイントして、アンカーでコンクリートブロックに固定する手法を編み出してきました。

この手法を話し合っていなかったが、結果、この方が頑丈なので、即採用しました。
(お客様のご要望は、フェンスがお隣さんに倒れたら困るので・・・。より安心されるので)

鉄骨屋さんは4社ほど付き合いがありますが、この鉄骨屋さんは、一緒にやっていて楽しませんてくれる。

身体はコジンマリしていてよい年齢なのに、我々よりもココゾ!の力を発揮する。
そして、溶接・切断作業を本人が何よりも愉しんでいる。

今度は、この白い門扉に目を付けました。

『そうだね~。小川名さん、この柱持っててね』

言うなり、ダーと、セーパーソーで、根元から切断作業。

「Fさん、今日はセーパーソー、調子いいね」

『そうだね。今日の刃は高いからね』

「そうかね。そりゃいいや」
と言いながらも、前回と同じHITACHIの刃なのを確認していました。人間、思い込みも大事ですから。
高くて良い刃だから、切れ味抜群と。『風邪薬』と渡しながら、小麦粉を飲ませて、思い込みで治ってしまうのと似ているかな。

無事にカットでき、切断面の残りをサンダーで削りとり。

なんだか、見てられないな。

結局、道具を奪って自分で納得いくように。

こんな事なら、防護眼鏡を持ってくれば良かった。

思った以上に、この鉄骨柱、深く根入れされていました。

砕石を入れて、突き固めて、養生しながら、モルタルを埋めて。

私が補修している隙に、また二人してフェンス溶接して楽しんでいる。

このように防炎シートで覆うのは、とても大切で、溶接した際に、高温の火の粉が飛ぶと、家がすぐに焼けてしまう火種となるので。

建物内部で溶接する際は、水を掛けながら行い、その後2~3時間は、家事(ボヤ)が起きていないか見ておかないと心配です。

なんだか、二人して愉しんでいますよね。

そう、作るって作業、とても楽しいんです。

かつては、私が営業・修繕で、砥石が設計・工事と役割分担しながら、木造だけでなく、RC造、鉄骨造、混構造のビル・マンション・工場と色々と行ってきましたが、それらの修繕・リフォームは好きながら、新築は少々飽きました。

やはり、その人の想いが入った住宅づくりが一番面白く、一番奥が深いことに目覚めてしまった。
総合建設業の世界では、木造住宅は半ばリフォーム・修繕同様にコソクリ的扱い。そして絶対的金額も桁が一桁二桁違ってきますが、若い頃は大きなものをやれることに誇りを持っていましたが、途中からどうも、???
そう、『飽きてきた!』というのが本音でしょう。

ほんの小さなことでも、お客様に喜んでもらえる。
町場の職人さんは、小さなことでも喜んで仕事をしてくれるし、常に違う作業をしているので、彼らも面白いらしい。
間違いなく言えるのは、現場に笑顔が溢れているのは、小さいけれど、少々考えさせられる現場。

なぜか・・・それは【面白い・オモシロイ】からです。そして、こちらも幸せを分けていただけます。

一般の建設会社、リフォーム会社ならば、このような《落下防止手すり》は、『取り替えましょう』と言われるでしょうが、

このデザインを見たら、そんな事は言えません。
その頃の建築屋さんが、お客様の意向を受けて作られた息づかいを感じますし、それを当たり前に使用されてきたお客様ご家族の思い出も、詰まっているものでしょうから、
新たなものを、ポンと付ける方が簡単ですが、悲しいじゃないですか。

たった、この溶接作業一つで、また息を吹き返してさらにお使いいただければ、そんなに嬉しいことは無いと考えます。

【一部だけ、外部改修③】へ つづく・・・