無いモノは、作っちゃおう

エスロン製のE100樋。

この形状のものはたくさん売れましたが、販売中止になってから時間が経過し、手に入りにくくなりました。

こういう絶版品、建築業界の今後、困る点です。
在庫品を確保する倉庫・管理する人・税務上等の理由で、あまり古い製品を長らく保管しない流れが一因。
さらに、消費者の多種多様なニーズに応えるべく、多品種・小ロットが当たり前になったため、しばらくして直す際は、消費者のニーズに応えられない状況が多々あります。今後、さらにこのような傾向はさらに続くと思われます。

ハウスメーカーさんの建物は、システマチックに出来ていますが、メンテナンスを半ば切り捨てて企画設計されている箇所が多い。

ここでも、箱樋(樋が外部から見えないようにしてスマートな外観に)のため、元施工が芯ずれしていたために、下部の幕板にあいた穴ではおさまらず、ここも切り欠いて、順応していきます。

左側が他の商品で代用して取り付けたもの。
(多少、色形状は違いますが、外部からは見えないので、機能性を重視)

こんな感じで、外側のメーカーオリジナル板金で施工してあるため、古くなって少々あばれ気味の軒樋も、外部からは見えません。
一方で、この樋全体を取り換える際には、狭い場所で手間ばかり掛かり、なおかつ、元のように取り付けられるかは、確信が持てない。つまり、周囲の板金が錆びてバサバサになりだしているケースが多いので、この板金を根元から切り落として、新たに見える形で樋を付けるケースが多い。
(建築では、化粧が、金銭的に災いすることが多い)

下から見上げると、ホワイトの箇所を、板金で直しました。(穴の位置をずらしたために、穴が大きくなり)

ガルバリウム鋼板を、板金屋さんは、紙を切るように、サクサク切ってしまいます。
(今は、コロニアル屋根専門の板金屋さんが増え、曲げたり、切ったり出来ない板金屋さんが存在します。ビックリでしょうが。だから、こういう板金屋さんは貴重だし、今後も後継者を育てていかなければならない)

雨樋の詰まりを気にされていたので、最後に、水を流して、雨水桝に水が順調に、流れていることを確認して終了。

無いモノが多くなってきた昨今、【無いなら作ってしまおう】の感覚で、臨んでいこうと考えております。