およそ40年以上前の家は、基本的に木造軸組みの構造体(材料)が、今ではかなり貴重な部材を使っているケースが多いです。
こちらの家では、今は少なくなった一筋(木製レール)の上を雨戸が走る建物。
溝部に雨水が溜まらないように、細いノミで、排水を刻んでいます。
10本近くあるノミの中から、今度は大きなものを使って、削り作業。
幅の広い一筋を貫通させるために、
長いビス(コースレッド)で、本体に固定。
インパクトで締め上げるビスは、今では当たりまえですが、先日、荒床を一緒に解体している時に、大工さんがしみじみと言っていました。
今では使わなくなってきた鉄製釘、とても優秀なんだよね。ほら、良い感じに錆びているから、なかなか抜けないでしょ!
(ある一定の期間を超えれば、鉄は錆びきってしまうけど・・・)
この大工さんは丁稚奉公からのたたき上げなので、今よりも純度の高い鉄釘、木くさびも経験しながら、懐かしむように話されたのだと思います。
新しいものは確かに便利で、扱いやすいけど・・・手が掛かる日本の伝統建築の良さも解っているんでしょうね(コストパフォーマンス、値段の安さが、現在は優先されやすいから)。