大好きな秋山好古公に出会えて、満面の笑み。
君が好きだった温泉へは、色々と行ったな。
君が撮った写真は、素敵だけど、陰影だけのモノクロームは、何だか寂しげだな。
君は、恥ずかしがり屋だったけれど、私と違って皆に優しいせいか、常に、先生・仲間・先輩方に、恵まれて過ごしたね。
雨に濡れた江ノ電。
詫び・寂びといえばそれまでだけど、
心のどこかは泣いていたのか。
鎌倉駅で、人いきれの光景。
そうか、紫陽花の季節だった。
君が大好きだった相鉄7000系。
なんだか、涙を流しているようだ。
川端康成の伊豆の踊子、村下孝蔵の踊り子、石川さゆりの天城越えへ、連れて行ってくれるJR踊り子、好きだったよな。
龍の手水。
輝竜の名前、気に入っていたのかな。
(輝は私の輝明。竜は坂本竜馬、さらに、大変な世に、水面から天空へ舞い、世を救う竜になって欲しいという願い。少々、重い名前だっただろうけど、君の名は、名前負けしていなかった。最期に解った。)
伊豆箱根鉄道。君は伊豆っ箱(いずっぱこ)と呼んで、可愛がっていたね。
地方の方々の重要な足である鉄道。そうしたローカル線が大好きだし、君もそうだった。
綺麗な富士山の伏流水と、名も知らずひっそりと咲く花。
根府川付近、夕暮れ時の東海道線。
ヘッドライトと、テールライトが行きかう。
20両以上を高速で牽引する縁の下の力持ち、電気機関車、好きだったね。
これは、東海道という大動脈の誇り。
車窓に広がる金色の稲穂。
他には誰も乗っていない車内。
彼が一人旅した、久留里線だろ。
改めて、つい最近行ったらしい南総は、誰と行ったんだろう。
単機の小湊鐵道。
カッチョいい。
気がつけば、私にだいぶ影響受けてたんだね。
一緒に良く乗った路面電車。
我々は、背が高く、頭一つ出てたね。
伊予鉄道で行く、道後温泉は最高だった。
この地では、頭一つ半は出ていたね。
我々は、C11やC12の小型が好きだったけれど、D51の力強い骨格、スピードを出すために動輪の大きいC62も好きだった。銀河鉄道999の影響も多分に受けていたね。
君は平成生まれなのに、昭和45年生まれの私とも、妙に話が合った。平成7年生まれなのに。
本当は何歳?
妹や弟の運動会、入学式、卒業式と、仕事が忙しい私の代わりに、親代わりにすすんで行ってくれたね。ありがとう。感謝しています。
富士山に陽はおちて、眼下には新幹線。
東急玉川線とあじさい。
花火を上手に撮りやがる。
兄弟仲良く、小さな花火。
写真に、花が多くなってきたね。
緑と、川の流れは、飽きずにずっと見ていたね。
私には無い視覚で、花々を見ていたんだね。
1年ちょっとお世話になった、くらしの友さん 生花の研修で、作ってきてくれた花を、つぶらな瞳を輝かせて、私達にプレゼントしてくれたね。
生花の方々を、自慢してたな。
当然、他の諸先輩・同僚・後輩、そして立派な経営陣を。何がって?【心】です。
S字カーブで勾配のきつい、鶴ヶ峰~西谷駅間、好きだったよな。
そして、ススキ。これも、花。
野に咲くタンポポが主役。
これは、犬山城付近の桜か。
それにしても、空が青いな。
関東周辺はもちろん、近畿地方、日本海側、尾道、しまなみ街道、もっともっと一緒に歴史探求したかったな。
そうそう、UFOも見れたね。
名前は知らないけれど、綺麗な花だ。
この野菊も可憐だ。
君は、小さい時から昆虫が大好きで、帰ってきては、図鑑をよく見ていたのを思い出す。
昆虫の多くは、花が大好き。
同時に2匹のセミを掴まえていた。セミ取り名人を自負する私よりも上手かったな。
虫さんを掴まえたあと、必ず、野に帰していた。(私が小さい時に、多くの無用な殺生をし過ぎた後悔から、180°方針転換した想いを受け継いで)
彼が、好きだった写真。
お日様と偶然、被ったらしい。
彼は、電車でも、虫さんでも、偶然の出会いすら、引っ張る力を持っていた。生まれながらに。
日本防衛のために、ロシア帝国と闘った記念鑑三笠。この先頭にも、誇り高き菊の花。
『この花、なんて名前?』
・・・・
『そうか・・・』
この野に咲く、美しい花も、愛でてくれる人が居なかったら、寂しいことだろう。儚い命ゆえ。
写真や絵画は、あとにも残ってくれて有難いんだな。
『これは、あれか?お釈迦様の前に飾られる蓮か?』
そうだった・・・
花って、可憐だね。
50年近くも人生やってきたのに、私の眼は節穴だった。
君のお通夜、告別式は、もっともっと綺麗な花で埋め尽くされたんだぞ。
見てたろ。
鶴ヶ峯の地で美しい最期を遂げた、武士の鑑。畠山重忠公碑も花と一緒に。
喋々、蝶々、菜の花に
こうして、自然は回っているんだよな。
鳥さんも、好きだったね。
帷子川にも戻ってきたシラサギ。
ロールも、何か気が付いている感じ。
ニャンコも好きだったな。
これは、君と相思相愛のババ・婆さん・爺さんの眠る本立寺さんのしだれ桜。
君とは、私をデッカイ棺桶・大きな霊柩車・大きい骨壺と、人生の最後くらいは、窮屈なく送ってもらう約束だったのに、順番が逆になってるじゃないか。
何だか、とても心のこもった方々が、たくさん、たくさん手を合わせていたぞ。
皆、涙してくれていたのを見てた?
君を育ててくれた方がなんて多かったことか、そして君が愛された証しを、しかと見届けた。
君は、幸せ者だ。
嬉しいけれど、なんだ、このぽっかりとあいた穴は。
これは、新春を告げる梅の花だよな。
『これは、桜? 桃?』
そんなことも知らずに、だらだらと生きて来ちゃったよ。
そうそう、君が居なくなった日に、駒大歴史学科から届いた、90周年記念、一緒に出よう。返信しておいた。
相鉄7000系、引退間近なのに、やけに速いじゃないかよ。
スイセンが咲く中、スムーズに登っているじゃないか。
どこへ行くんだ?
あまり加速するな。
ヤバい。一番速いのが来た。
遠くへ行かないでくれ。頼むから。
骸(むくろ)は、無くなったらしい。
まだ、受け止めきれない。
魂は、我々の中に生きていることだけは確かだ。
今、何処?
なんだ、君の好きな江の島か・・・。
それなら、近いし、
君も、一生の思い出に浸りながら。
君の好きな弁財天如様、児玉源太郎公もいらっしゃるし。
あっちでも、君は私達の中に居るし、私達が行くまで、見守っていてね。母ちゃんを特に。変な気分だけど、今度は君が先輩だ。
今日からは、少しづつリハビリしてみる。
君のように、丹念な調査活動は出来ないけれど、歴史を大局的に掴み、次世代に役立たせる。
そして、もっとどっしりと優しく接するよ。君に教えてもらった一滴だけでも。