君が揮毫した墓に、今日入ったね

長男輝竜が亡くなって、あっという間に、四十九日法要(七十七日)。そして、納骨。
今日まで、耐えてきた分、たくさんの涙が溢れてきた。

旭区川井本町にある、清隆山 福泉寺。

多くの小川名一族が眠るお寺。

(写真:昨年お盆の頃のもの)

 

私の父が亡くなった際に、予め用意していた墓地に、墓石を建てることに。

書が好きで、秋山好古公、東郷平八郎公、乃木希典公の書された揮毫等を、君は筆跡ですぐに判別していた。

だから、君に託した。小川名家という墓石の揮毫を。数少ない【小川名姓】とは何か?の仮説と共に。

尊敬するオヤジ(英次さん)と、横並びで、お墓の中に入ったね。

君の大好きな涅槃仏を良く見渡せる一等地に。

そして、君が亡くなった時も、通夜・告別式、そして今日もいつも雨。
私は、君の涙だとは思わない。竜は恵みの雨を降らせてくれる。
輝竜(きりゅう)とは、たいそうな名前を付けてしまったものですが、名前負けしてないぞ。いつも自虐的な私でも、今となっては堂々と、親バカではなく言える。

君が、本家の流れを系図として残し、多くのご先祖様を供養してくれた。

歴史学科の私が行うべき作業を、忙しさにかまけてサボっていたことを、同じく歴史学科の君がやってくれた。

君の几帳面さと、ご先祖様を心から尊崇する気持ち、その時代を一生懸命に生きて、忘れ去られそうになる方々を、自分の足を使って取材し、供養してきたことを、心より尊敬します。

小川名家の大元の墓。

もともとは、福泉寺が出来る前から、この地に在住した一族なので、おそらく古い墓石もこの地に移したのだろうけど。

ここを目印に上がっていくと、君の眠る墓に近づける。

清隆山は、空が広くて心地よい場所。

自分と向き合い、真理を追い求める君はややもすると、剃髪して出家しそうな勢いだったな。(実際に、現在上川井にある長源寺の中興の祖(實圓さん:じつえん)として、当家から出家し、荒廃しかけていた長源寺さんを復興された)
しかし、くらしの友さんと出会いに恵まれ、不器用ながら必死に働いたな。本当に良かったな。

そして今、この曹洞宗 福泉寺のご住職様の弟子になられた。そして、一緒に行きたかった永平寺へ行き、天竺へ行くんだろう。

私も、行かれるまで精一杯、この俗世で修行するよ。君に習って。

それまで、オヤジと一緒に待っててな。さらに、残された私達を見守ってくれな。
そして、君が愛した方々、君を愛した方々も守ってくれな。
頼んだぞ。

これは、父からの最後の厳命だ。小川名輝竜!