長持ちさせるサイディング塗装下地コーキング

サイディングの塗装替え。

案外と奥が深いです。ビル・工場などのRC造・鉄骨造を施工している方なら解る、下地のコーキング打替え・増し打ち作業が必要です。

このように、サイディングの継ぎ目は、当然ながら、打ち替えします。

窓(サッシ)まわりは、状態がよければ、増し打ちが基本ですが・・・

使うべきコーキングの選定が、先ずは先々の持ちを大きく変えてしまいます。

今回は、サイディングどうしに相性が極めて良い、ペンギンシール(サンスター)のMS2570typeNBを選定使用。

このシーリング材は、2液型タイプ。

そのため、この撹拌機で、しっかりと混ぜ込み、コーキングの効果を最大限に発揮させるために、手間を惜しまず。

混ぜると、このような状態に。

さらに、大事なのは、サイディングとサイディングの繋ぎ目を、接着するプライマーの選定も同時に重要な要素です。

今回は、サイディングに極めて相性が良い、サンスターの【UMー2】を選定・使用。

これ、何だか知っていますか?

ボンドブレーカーという代物です。

これを、縦目地部(コーキング打替え部)に、コーキング撤去後、これを、底の部分に貼ります。

ビル等を施工している方の多く・建築士の試験勉強をシッカリされた方なら、意味が解かるかと思います。

要は、建築のいろはの【3面接着】を防ぐためです。

RC造や、鉄骨造ならば、目地が深いため、バックアップ材(ひも状のもの)を使用し、3面接着(地震等の揺れ時に、表面の接着部が切れやすいため)を防ぎますが、住宅のサイディングのような素材(かつての多くは、12㎜しか厚みがなかった)においては、バックアップ材を入れたら、コーキングの厚みが確保出来ない。

よって、その下地部分と接着させないために、この【ボンドブレーカー】を採用しています。
※色々と代替品を考えてみましたが、施工要領書に、『マスキングテープなどを使用してはいけませんと』

そして、このようにコーキングを打ち込んでいき、コーキングヘラで綺麗に仕上げていきます。

コーキングがはみ出さないように使用するマスキングテープ、不必要なコーキングをヘラで取った残り。

本来は水切り上部とサイディング面は、排水性を促すためにコーキングをしないのですが、新築後に雨漏りしたらしく、シーリングしてあったので、仕方なくコーキングを打ちましたが、

台風時に雨が下から吹き込んだ際に、シーリングしつつ、上部のサイディング・笠木から侵入した雨水を逃がす(排水させる)穴を、要所にところどころ、開けておきました。

※サイディングが、雨漏りを完全に止める訳ではありません。その下地の透湿防水シートが、本当の役割を演じてくれます。基本的にサイディングが口を開けた箇所から、暴風雨時には、容赦なく水が入ります。
その雨水を彼が受け止めて、名前の通りの『水切り』部で、排水を促します。だから完全に塞いでしまうと、雨水は逃げ処を失って、内部に長時間、滞留し、結果、雨漏りの原因となったり、内部の木材・構造体を蝕んでしまう大きな要因となります。

換気扇等のベンドキャップ部は、本来、内部でしっかりシーリングされていれば問題無いのですが、安全を考えて、周囲をコーキング処理していきます。

何事も、表面上のことよりも、内部のおさまりを考えた施工が、建物・塗装替え後の長持ちさを左右することだけは確かです。