身長188センチの私が乗ると、着るような状態の軽トラ キャリーちゃん。
スズキキャリー(DA52T型)は、今時の軽トラと違い、約25年前の車両で、小回りが利かないロングホイールベース車でしたが、【走りの安定性】に関しては、軽トラながら地べたに這いつくばるような挙動、そして古い形式のエンジン(F6A型3気筒・パワー50ps/トルク6.3㎏)ながら、踏んだぶんだけ素直に走ってくれて、乗っていて、操りやすいとても楽しいクルマでした。
私が3人目の所有者らしく、6年ほど前に、塗装屋さんから3万円で譲っていただいた時の走行距離は、130,000㎞ほど。
塗装屋さんが優しい方で、創立したばかりの当社にお金が無いのを知っていて、破格の値段で。
その後、他の車も所有しだしましたが、好んで乗り、17万㎞弱まで走り切ってくれました。
塗装屋さんが、かつて単管足場を運ぶ際に、単管がずれにくいように、後部に鳥居が付いていましたが、脚立や長物を運ぶ際にとても重宝し、現行型のキャリーちゃんも同様に鳥居を付けました。
あとは何も改造せず、いただいた方の気持ちを尊重して、カッティングシート以外は、そのままフルノーマル。
タイヤも軽貨物用の細くて扁平率の低いもの。
それでも、彼女のために言っておきますが、箱根の下りで、最新型のSUBARUにも何とか追いついて走れた実績があります。
我が社に来た日。
塗装屋さんが使っていた痕跡として、後ろのアオリから塗料が垂れていました。それも含めて可愛がっていました。
その後、マフラー交換以外大きなトラブルはなく、ハンドルのギクシャク感と、真っすぐに走りにくい点は、調教して何とか修正でき、マフラーからの白煙が増えだしてからは、旭白根モータースさんで、WAKO’Sのオイル、ゴム類を柔らかくしてオイル上がり等に対応してくれるフューエル1、時折、ハイオクを食べさせてあげていたら、エンジン内のスラッジが取れたのか、ますます元気になりました。
そんな素敵な彼女とも、お別れの時が訪れてしました。
ショックアブソーバーの抜け、足回りのブッシュ類の劣化、車体自体の剛性の低下、とどめはラジエター系統によるオーバーヒート(何とか延命させるために、冷却し、エンジンは守れましたが)により、彼女にこれ以上、鞭打つのは申し訳ない状態に。これまで乗ってきたクルマは、全てそれぞれの限界域まで使い切ってきたので、彼女らに対して申し訳無さはありませんが、たまたま、軽トラを格安で譲ってくれる話があったので、三菱ミニキャブ4WD仕様に乗り換えしました。
(まだ慣れないせいか、SUZUKIがよく考えているのか、キャビンが窮屈で、直進安定性が低く、起伏の激しい横浜の土地にはギヤ比がいまいち合わず、ハイオクを入れて、バイパスで少し調教、直す個所を嗅ぎ分け、現在時間を掛けて修理中です。帰ってくるのが楽しみです。三菱は初めてですが、エンジンも含めた駆動系がシッカリしています)
また、デザインもセンスの良い看板屋さんに、同時に格安で取得したスズキ エブリーちゃんと同時に、キープコンセプト+αでデザインをしてもらっています。安く仕上げっている私は、高級車を保有する以上に、ワクワクが止まりません。
これまでのキャリーちゃんは、
【解体届出の手続き完了のお知らせ】まで、対応していただき、感謝と同時にさみしい気分です。
ただ、アメリカで流行っているという日本独自の軽トラのパーツとして、それぞれが第4の人生を過ごしてくれるのだと思います。
『沢山の時間と、労苦を共有してくれたキャリーちゃん、本当にお疲れ様でした』