グリーン色が好きなお施主様でしたが、塗料メーカーが用意してくれているカラーサンプル色には、お好みの色が無かった。
(確かに基本色は、クレームになりにくいのですが)
そこで、日本塗料工業会の塗料用標準色(グリーンでも、選択の幅が一気に多くなります)の出番。
塗料工場で調合されてきた一斗缶の中身を確認。(塗る下地、光の加減で見え方が微妙に違ってきます)
使用塗材:関西ペイント ダイナミックトップ(チョーキングしにくいラジカル制御仕様な上に、シリコン製で、メーカー推奨塗膜厚で施工すると、綺麗に仕上がる塗料です)
元の外壁サイディング色も良かったのですが、周囲の畑・山の植物からの飛散物等により、汚れが少し目立ちやすい状態でした。
サイディングジョイント部は、コーキングをきれいに除去して、打ち替えをお薦めしています。(30年ほど試行錯誤しましたが、この部分の補修・増し打ち程度では、早い段階で隙間ができたり、塗料の乗りが悪かったりします)
サイディングの凹凸に、馴染むようにコーキング。
当然、プライマーを塗ってから、変成シリコンコーキング。
さらには、3面接着にならないように注意深く。
(コーキングは2面接着が基本で、3面接着だと、劣化時・建物の揺れ時に、亀裂・剥離が生じやすいため)
万が一の液垂れ、塗料の飛散により、塗らない箇所への塗料の付着を考え、厳重にマスカー等で養生します。
ただ、ずっと養生をしていると、内部に住まわれているお客様も滅入ってしまうため、可能なところは写真のように窓を開け閉めできるようにしたり、養生時間を出来る限り短縮します。
雨樋や、ベランダ笠木も養生します。
ベントキャップ(換気ダクト出入り口)も養生。
ちなみに、周囲への飛散防止、作業員の転落防止のために、メッシュシート。
隣の建物が近接する場所では、高圧洗浄時に、近隣へ汚れが飛散する場合があるので、ブルーシート等で、さらなる養生。自動車へ飛散しそうな場合は、お断りしたうえで、クルマ養生させてもらいます。
以前に、水で落とせば取れる汚れが、お隣さんの屋根に飛散し、20万円の請求が来て支払いました。
(粉塵・飛散に関しては、工事保険が適用されないようです)
外壁に取りつけられているミッキーマウスは、外れなかったため、シッカリと養生。
無時でした。
ちなみに、こうした鋳物製金物(時にはアルミやステンレス等も)は、塗装できますが、あまりお薦めしていません。
長持ちさせるためには、工場へ持っていき、サンドブラストで塗膜を剥がしたうえで、焼付塗装をしないとならないためです。
(その費用をいただけるなら、工場へ持っていきます)
屋根は高圧洗浄してから、棟板金の釘部が、温度差の激しい夏場に飛び出してこないように、コーキング押さえ。
(棟板金の下地の木製ヌキが、腐蝕等に元から外れ掛けている場合は、お客様に相談。そうそう無いですが)
スレート屋根材(コロニアル)は、経年劣化の激しいもの、アスベスト含有量が1%未満になった時期のもの(ニチハのパミールは、塗装替えがほぼ不可能です)は、高圧洗浄しの具合で、ヒビ・割れ・損傷した際は、可能な場合はコーキング等で補修作業をついでに行います。
こちらのコロニアルは状態が良く、さらに、良い加減で、雨水排水のための隙間が空いているので、当初の見立て通り、タスペーサーによる縁切り(雨水が滞って、雨漏りの原因になる)はしなくて済みました。
※デザイン性が高く、金額も高額なコロニアル(EX.アーバニー)などの場合、屋根起こしで、縁切りをしっかり行います。割れそうで怖いんですけどね。
使用塗材:水谷ペイントの遮熱型塗料 快適サーモWSi
(遮熱塗料としては、日本ペイントのサーモアイSi も使用しますが、専用シーラー・塗材の密着性が水谷ペイントの方が良いと、職人さん方から聞く声です)
この時は、雨が降らずに、職人さんの人数も多かったため、足場をばらすまで、少しお待ちいただいたため、メッシュシートは絞らせていただきました。
(職人さん不足というのは深刻な問題ですが、特にデキる職人さん集団は、人手不足なうえに、私達からの人気が高く、スケジュールがいっぱいです)
新築時の造園屋さんが、見切りとして入れておかれた木材を通行中に、少し割ってしまったので、掘り返して、
防腐処理された木材に、入れ替えさせてもらいました。
緑色って、とても喜ばれる時と、イメージと違うと言われる時と、大きな差が生じやすいため、こちらもかなり気をつかいますが、こちらではご満足いただけて、何よりでした。有難うございました。