シロアリ消毒、今年も混み合っています

床下点検口までのホース、廊下の養生をして、潜ります。

基礎が、べた基礎(立ち上がりだけでなく、床スラブ面も鉄筋コンクリートで基礎を一体化)の建物だったので、作業はとてもラクです。

一方、昔ながらの布基礎(立ち上がりと、それを支えるフーチングだけが鉄筋コンクリートか無筋コンクリート基礎)の場合、多くは、床下の高さが低い上に、土のままなので、ほふく前進しながら進むので、ツナギも真っ黒になります。でも、作業します。

土台・大引き・根太・火打ちと、木部を入念に消毒。

スラブ床下は、新築時に消毒されている筈なので、穴を開けてまで、消毒しません。
(地面が土の場合は、消毒薬を撒きます)

少し前までの木造住宅の多くは、基礎パッキン(奥に外の光が見えます。その部分に連続基礎パッキンが、基礎と土台の間に入っています)工法を採用していて、
床下の風通しが、風窓と呼ばれる基礎の一部から換気していた当時に比較して、換気量が約1.5倍と言われており、床下の換気を促してくれるため、
シロアリが住みたい3大要素の、
1.有機質系の養分(木材等)
2.酸素(空気)
3.水分(湿気)
の、3.の水分(湿気)をコンクリート製スラブ床と、基礎パッキンによる換気により、水分量を減らしてあるため、床下がカラッカラの状態になるため、シロアリが住みつきにくい環境になってはいます。

だからといって、白アリ防除をしないで大丈夫とも云えません。
半世紀も前なら、土台・柱はヒノキなど材種にこだわって、シロアリを寄せ付けにくい材木を選定されていましたが(根太・大引きも同様に)、近頃では、国産の木材は高価という印象で、工場でプレカットされてきた集成材を含めて、安価で質の高くない輸入材も蔓延ってきている点、建物周囲の環境(植木が間近に植わっている・湿気が多い等)による点、床下への漏水、雨水の侵入がある点等々で、絶対に安心な建物は少ないと考えます。

玄関ポーチなどは、土間と壁の一部がタイル施工のケースが多いですが、今回は、タイル目地に穴を貫通させて、

薬剤を注入。
そのあとは、エポキシ樹脂系目地で埋め直し。

土間周囲の屋外も、シロアリが侵入しにくいように、薬剤を注入。

薬剤もかつてのものと異なり、人体・環境への影響が極力少ない、水性のものを使用しています。

シロアリ被害にあってからでも、木造軸組み工法の家なら、何とか直せるケースが多いですが、割高になる点で出費が痛いです。
家を持つって、お金が掛かって大変です。マンションでも同様に、メンテンス費用は掛かりますが。
【建って、終わりでは無い】ことを、夢膨らむ新築時だからこそ、頭の中に入れておかれて下さい。多くの方が、『また、お金が掛かる・・・』と、予定していない出費に困っています。
何れにしても、ある程度、適度に早めのメンテナンスが、後々高額な修繕費を生みにくいですから。