屋根・外壁の塗装替え

擁壁の塗装はそのままに、
屋根・外壁等の塗装替え。

塗装替え前。
キープコンセプトで計画しつつ、メンテナンスしたので、一見、大きくは様変わりしてみえません。

少々くたびれていた雨樋も、この機会に交換。

屋根は、石綿の含有量が多い時期の素材のため、クラック・欠損が少なく、塗装替え出来る状態でした。
(アスベストが絶対的な悪者になっていますが、皮肉なことに、強度・防火性・耐久性においては優れています。一方で飛散させる作業は、職人さん・住人の方の為に、避けています

近頃は、当たり前にお薦めしている遮熱型塗料の専用シーラー(フィラー)を塗布。
この部分が、熱反射で大きな力を発揮します。

主材を2回塗り。
日本ペイント、関西ペイントを使っていた時期もありますが、水谷ペイントのフィラー、熱反射材が、一番塗った際に、【乗り】がよく、ほぼ施工要領書通りに塗装出来ます。

塗材が、コロニアルの継ぎ目を覆ってしまい、雨水の排水を促さずに、雨漏りするケースがあるため、縁切りのためにタスペーサーを設ける場合がありますが、排水が確保される場合は、あえて付けない事も。(浮きがある屋根では、風雨で飛散する場合も)

棟板金の釘頭をコーキング処理してます。
板金の釘は、下地が木製貫材を採用している場合、夏場昼間にに棟板金が伸びた際に、釘がつられて引き抜き方向へずれてしまい、夜間に冷えて板金が縮む際に、残念ながら釘は元に戻ってくれません。
そうなると、飛び込み業者さんに付けいる隙を与えてしまうため、コーキングで固定しています。

デザインが素敵なルーバー式雨戸・戸袋は、近頃では採用されておらず、直して現状を維持していきたいものです。
しかし、既製品ではなく、それぞれのサイズに合わせて作り直すとなると、建具屋(指物師)に一品ものとして手間を掛けてもらうようです(つまり高額になります)

ここの戸袋だけは、下地を直して、ラワンベニヤを張る手法に。
(戸袋に張るベニヤは一般には、流通していないため、材木屋さんに事前の発注が必要です)

バルコニーのウレタン防水は、比較的良い状態だったので、清掃の上、凹凸を補修した上で、プライマーを塗布し、

ライトグレー色のトップコートを塗り、これで暫くは防水性を保てます。

塗料はすべてそうですが、ウレタン防水(フロン)の主剤と硬化剤の調合比率は、メーカーの規定通りに行わないと、本来の防水性能が発揮できません。(夏場用と冬場用で商品も違います)

よって、職人さんも割合の計算を何度も確認しながら、慎重に行っています。

デジタル計りの上で、数字とニラメッコです。

塗る箇所により、それぞれ材料も異なります。
当社では、材料ごとに塗る面積、希釈率(メーカー・商品により異なる)を元に、缶の数量、商品をすべて写真で残し、確認作業・トレーサビリティーできるようにしています。
希釈して使う材料は、希釈時に立ち会っています。薄め液で材料を伸ばす職方さんが、時折いるので。
実際に、施工要領書通りに行わない物件は、年数を待たずに、塗膜が劣化しているのを、沢山見てきました。

ほぼ全ての工程が終了しても、職人さん不足はやはり深刻で、足場屋さんに解体してもらうまで、待たなければならない時があります。

塗装中、メッシュシートの内部で、お客様も静かに待たれていますが、日差し・洗濯物を干したいでしょうから、メッシュシートを剥がすか、絞らせてもらいます。

メッシュシートがなくなった夕暮れ時、久し振りに温かな内部の光が漏れて、こちらも嬉しい気持ちになります。

お疲れ様でした。